私が学資保険をやらなかった理由
学資保険には加入すべき?
子どもが生まれると保険屋さんや郵便局、銀行から「学資保険」を提案されます。
特に妊ママはお腹の子供が大きくなってきたころに郵便局や銀行に行こうものなら、都度学資保険を勧められるのではないでしょうか?
「保険」という名前がついているので、万が一の時でもしっかり学資を得るための保険ですが、保険というより学資の積み立てという意味合いが強いと思います。
学資保険には金融機関ごと、商品ごとにいろいろありますが、やはり子供が大学生になる18年後に満期になるものが多く、利回りも高い。
学資保険で検索して、一番利回りの高いS生命の学資保険は満期利率が107%です!
パッと見、魅力的に見えますね。
これが1年あたりの利回りなら、迷わず加入しますが、18年で7%増ってどうなんでしょう?
コレ、意外と皆さん気にしないというか、保険という言葉と、満期には増えて帰ってくるという言葉のマジックに、脳がしっかりと理解しないまま契約してしまうパターンが多いです。
そこで今回は、しっかり計算してみましょう。
学資保険は、保険か?貯蓄か?
学資保険のサイトで、一番利率の高いS生命保険を例に計算してみます。
契約可能年齢が出生前~11歳まで
払込回数は月払い、半年払い、年払いから選べます。
金融機関や商品によっては1回払いも!
そして、学資保険ということで、万一の場合は払込免除!
払込免除になるときとは、契約者が無くなっている場合ということです。
無くなっている場合は、学資保険に入るような方は当然生命保険にも加入していると考えられ、そちらでかなりの保険金を受け取れると思います。
なので、数千万円の保険金に対し、1割程度なので、保険として期待する商品ではないのかなと思います。
あくまで、貯蓄商品と考えて、検討する方が現実的だと思います。
そうなると、貯蓄率で判断するのが妥当です。
貯蓄商品としてはどうなのか?
S保険の利回りが高い条件である、「毎月払い、10年払込、18年満期」を例に考察していきましょう。
毎月払いで15,540円を10年として、10年後に掛け金1,864,800円が2,000,000円になる場合、1年あたりの利回りは1.38%です。
それならかなり良い方ではないでしょうか?
おっと、払い込みが終わってもすぐ受け取れるわけではなく、18年の満期まで待たなければならないのでした。
10年間の払込終了後は8年間の熟成期間に入るわけです。
18年トータルで考えると・・。
なんと利回り0.54%まで下がってしまいました。
厳密には、18歳から毎年40万円の払い出しなので、利回りはもう少し下がりますが、甘目で見積もっても0.54%ということになります。
ズバリ!学資保険は加入すべきか?
貯蓄商品と考えるなら、銀行系の定期預金でもせいぜい0.2%なので、それよりはマシでしょうか?
一方政府は毎年2%のインフレを目標にしています。
政府が2%インフレを達成できていないおかげで、物価はそれほど上がっていません。
物価が上がらないので、現金の価値は維持されます。
このままインフレ率が低いまま18年経てば、この学資保険も良い貯蓄商品だったと言えるでしょう。
ところが、もし安倍政権が有能で、今後毎年2%のインフレを完遂し、それが18年続いたとします。
すると現金の価値は毎年2%複利で下がるわけです。
では、2,000,000円の学資保険で計算してみましょう。
単純化のために2,000,000円が2%で複利で下がり続けた場合は1,390,271円になります。
つまり、いまの2,000,000円は18年後には1,390,271円の価値しかないということになります。
18年寝かして、増えたと思ったら、物価の値上がりの方が大きくて、足りないということになります。
つまり、毎年2%でインフレした場合には学資保険では損をしてしまうということになります。
まぁ、いまの政府が毎年2%のインフレを達成するのは現実ではないので、そこまでは現金の価値は下がらないと思います。
しかし、少し前まで120円だったものが、130円、140円とじわじわ上がっています。
もっとさかのぼれば、缶コーヒーは100円玉で買える温もりだったはずです。
18年もあれば、140円が200円とまではいかなくても、160円、180円にはなっていそうですよね?
先のことはわかりません。
今後さらに、20年失われた日本が続く、つまり、インフレが起こらないと考えるなら学資保険も有効です。
では、どうすればいいか?
簡単です、インフレを上回る利回りで運用すればいいのです。
「言うは易し、行うは難し」で、2%で運用するとなると何かしらの投資が必要です。
ただ、世界一安全といわれる米国債なら10年物で1.94%なので何とかなります。
つまり、インフレに備えるには最低でも米国債に投資する。
さらに増やしたければ、ある程度リスクをとってリターンを得るという発想をすることになります。
「リスクを取る」とは、単純に覚悟を決めるということではないです。
リスクとは変動幅であり、上振れ、下振れ両方があるということです。
イメージ的に上振れすれば、リターン、下振れすればリスクと思われがちですが、上振れ、下振れ含めて「リスク」なのです。
しっかりと投資を勉強し、リスクを知ればどのようにリスクを緩和できるかも見えてきます。
単純にリスクを下げると、リターンも下げることになりますので、振れ幅のセンター値を上げるという考え方が良いです。
でも、投資って難しそう、数字や計算て苦手・・。
勉強したくない、わからないなら、無理にする必要はありません。
ただし、その場合はリターンを期待しないようにしましょう。
リターンに固執し、お金や投資の勉強もせずにリターンだけを追い求めると、詐欺に容易に引っかかることになります。
米国債やインデックス投資すれば、インフレ並みの利回りが出せるので、最低限そこは目指しましょう。
ちなみにウォーレンバフェットは、自分の死後の資産について下記のような遺言を残すと言っています。
「資産の90%はS&P500インデックス投資に、残り10%は政府短期国債に投資せよ」
投資に興味も知識もない(先立たrてしまった)妻への遺言ですが、知識のない方でもこの運用なら着実に資産を維持・向上できるという考えです。
私の結論
長々と書きましたが、私が学資保険をやらない理由は、結局学資保険に投資するより、自分で運用した方が増やせると思ったからです。
バフェットのように年利20%は無理ですが、年利5%くらいなら勉強すればできるかなと、根拠のない自信です。
少なくとも、0.001%の貯金はしないし、0.2%の定期預金もしないし、0.54%の学資保険もいまいち。
だったら、米国債に投資し、約2%貰う方が安全・確実です。
もちろん戦争が勃発して、米国が敗戦し、ドルの価値が下がれば米国債も紙屑ですが、その前に日本がなくなってますね
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